出席者:よろず請負人(師匠)、置き竿師、師匠だのみ松、アヤ師、渓流人、三番弟子、沖釣り師、不漁中年

今日の不漁中年の仕事は、先ずは教室の準備。そしてこの準備が終わった頃から、メンバーが集まり始める。簡単に、和竿展に向けての事務連絡、そして渓流人さん作製の「作業工程毎」の写真を確認する。それぞれが、良い感じに仕上がっている。一段落して、各自が自分の仕事を開始する。

まず、不漁中年は「ヘチ竿」の仕上げを開始。「蜜蝋」で竿を磨く。物が「蜜蝋」
201015不漁中年だけあって甘い香りがする。それにかなりなベトベト感もするが、指に馴染む感じが良い感触だ。
塗りおえて、暫くそのままにして、ティッシュで拭き取ろうと思ったら、ティッシュの一部が竿に残り、これを取るのに手間が掛かってしまう。ここで「キムワイプ」で拭き取ると簡単に出来る事が分かった。あとは全体が乾くのを待つだけとなる。そして次は、和竿展用の竿置き台201015竿置き台の作製に入る。
素材は、師匠だのみ松さんが提供してくれた竹材を使って、サイズを整えキリで穴明け後、竹串を差して完成だ。


201015よろず請負人よろず請負人こと師匠は。連続のどろぼう掃除中。
「どろぼう掃除」とは余分な場所に付いてしまった漆を取り除く作業の事だが、ネーミングになんとも言えない愛嬌を感じるのは自分だけか?竹のナイフやらピカールやらを駆使して取り除く作業は結構大変だ。正常な部分に傷を付けずに行うには慎重な作業が必要となる。
201025三番弟子三番弟子さんは、ろ色漆を手で濾して塗り始めている。
どんな漆でも塗りすぎてはダメ駄目だし、薄く薄く重ね塗りする事が丈夫な肌を作る。
最近は気温が下がってきたのか、乾きが遅いような気がする。
201018置き竿師置き竿師さんは鯊竿の「覆輪」を塗っている。
これが乾いて線覆輪を入れれば、漆塗りの工程は全て完了。後は磨き上げれば、竿が完成。


師匠だのみ松さんは、線覆輪を書き込み中。201015師匠だのみ松線覆輪の筆は、坪糸をほどいて作製したもの。漆をガラス版のうえで付けて、そのまま引きながら漆の量を調整してから書く。ガイド部分は、狭い場所に2本の線覆輪を書くので小さなガイド部分は、かなり困難な作業となる。

201015渓流人渓流人さんは、仕上げ矯めの作業中。
これも気の抜けない作業で、火力が強すぎても駄目、弱い火力で遠火にして、時間を掛けて竹が暖まるまで待ち、柔らかい布を当てて矯める。

201015沖釣り師沖釣り師さんは、黄の線覆輪を入れている。
メンバーの誰もが、仕上げ近くになり、人の竿でも仕上がりが楽しみとなる。



201015アヤ師アヤ師さんは、口栓の仕上げに入り、ろ色漆を塗って、漆風呂へ入れて作業完了。
この後、「アヤ師」から「庭師」に変身して枝払いの作業を開始・・・

今回は、作業開始から2時間ほど会話もなく黙々と静かに、作業をしていた。
いつもなら「笑い」そして「駄洒落」が飛び交うのだが、全くと言って良いほど「シーン」としていた。見えないプレッシャーが有るのかも?